「科学工学技術委員会」創立趣旨(要旨)
1987年、急激な技術革新の進展、経済の成熟化、国際化の進展に対応すべく、臨時教育審議会(内閣総理大臣諮問機関)の「職業能力評価の多元化」「公的職業資格制度の見直し」「生涯学習体系への移行」などを骨子とした答申を受け、関連省庁において各種の施策が実行されました。
この時期、産業界では、成熟市場において企業活動のソフト化・多角化が余儀なくされ、これを担う技術者・研究者には変化に対応する豊かな適応力、適宜適切な環境適応戦略を開発できる必要性に迫られていました。一方で、技術の高度化・専門化が進み、一人でカバーできる領域が狭くなっている環境において、相互に関連する技術環境を全体として把握し、縦の専門技術と横の技術環境を把握してコーディネートできる人材の必要性に迫られ、臨時教育審議会の答申と相俟って、上記、関連省庁認可の複数の公益法人が各々独自に職業能力開発のための教育方法の再開発、能力評価を目的とした新たな技術資格を設け職業能力の評価、職業設計の指針となる方策・サポートなど活発に進めてまいりました。
この複数の団体が各々認定する技術資格者の増大、これに伴う資格者に対するサポート体制などの活動が活発化する中で、1994年、複数の技術資格を統合し、各々の団体の相互補完して機能の強化・拡大を目的に横断的組織として創設したものです。
「特定非営利活動法人 科学工学技術委員会」設立趣旨(要旨)
資源の乏しいわが国が、優れた科学・工学技術力によって経済発展を遂げてきたのは周知のとおりです。
科学技術がますます高度化し、その成果が我々の生活と密接な関係を持つ現代では、科学技術と社会との関係を適切に理解し、評価できる最低限の科学技術知識が必要となり、国民の多くが科学技術に対して適切な知識と評価する能力を持つことで、科学技術者や科学技術志向者が日本にとって重要な知的資産であることを認識しなければなりません。
今後、資源の乏しい日本がますます豊かな社会を築いて行くためには、重要な知的資産を確保するために優秀な人材を科学技術の世界に目を向けさせるための環境を整備することが重要課題であり、そのためには科学技術に携わっている人たちが、その努力や培ってきた能力への適切な評価が与えられ、報われることを示す社会を構築して行くことが必要である。
しかしながら、科学技術の世界において、大学、学会等での学習機会はあるものの、国民が平易に学習する機会や場所が余りにも少なく、また科学技術に携わる人たちは高度・複合化された現状において専門技術に特化する傾向が顕著であり、創造性や独創性を養うとされる広い分野の知識の習得や体験する機会に乏しい状況にあります。
ここに、1994年創立以来の活動実績を通して、科学・工学技術の振興を図り、日本国民が豊かに暮らせる社会の実現に寄与し、科学・工学技術の知識習得・能力向上を目指す人々を対象に、特定の行政機構にとどまらない事業の展開、社会に対する責任の明示を目的に、幅広い技術分野の技術者で構成される公益社団として2004年、特定非営利活動促進法に基づく特定非営利活動法人として設立するものであります。
特定非営利活動の種類
(1) 科学技術の振興を図る活動
(2) 社会教育の推進を図る活動
(3) 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
(4) 情報化社会の発展を図る活動
(5) 以上の活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言または援助の活動
事業内容
(1)科学・工学技術に関する講習会・研究会・シンポジウム・研究フォーラム等の開催・運営に関する事業
(2)科学・工学技術に関する学術調査・研究成果・学術資料等の提供事業
(3)科学・工学技術に関する資格試験の実施等による知識や応用能力に対する評価事業
(4)科学・工学技術に関する職業能力の開発支援事業
(5)科学・工学技術に関するホームページの運営、出版物の発行などによる普及啓発事業
(6)科学・工学技術の振興を目的とする団体との情報交換およびネットワークの構築事業