−『資源・エネルギー』『環境』『産業・経済』の融合−
我々は、地球規模での「環境保護」「資源・エネルギーの有効利用」「産業・経済の発展」という複雑に絡み合う3つの要因のバランスを保ちつつ、いかに未来を切り拓いて行くか、の難問を抱えています。
本会では、この難問に対し、各々の要因における最新技術動向や法律問題、産業界や国の取組み等々を取り上げ、これまでに「地球環境問題へのスーパーコンピュータの応用」「地球シミュレータ計画」「燃料電池」「微量化学物質を検出する携帯型バイオセンサー装置の開発」「環境税導入の日本経済・エネルギーに及ぼす影響」「光触媒技術の最新動向と応用分野」「省エネ評価手法の開発」etc…の講演会・シンポジウムなどを開催し、藤嶋昭先生((財)神奈川科学技術アカデミー理事長)、伊藤利朗先生(三菱電機叶齧ア取締役)、増島勝先生(TDK椛纒\取締役専務)や産業技術総合研究所、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NED)、物質・材料研究機構、産業技術総合研究所、理化学研究所、宇宙開発機構、日本原子力研究所など産・官・学から多くの諸先生方に御協力を頂戴してきました。
本年は、次の通り開催します。
T.環 境
テーマ:ヒートアイランドによる都市の気候変動
講 師:日下 博幸 先生
筑波大学 大学院 准教授
【講演概要】
温暖化が進むと、2070年代の東京都心の温度や湿度、太陽光が体温に与える影響を調べた。午前10時〜午後6時ごろに屋外で激しい運動をすると、熱中症の危険が高まる。さらに午前0時でもセ氏26度を超える日がほぼ毎日続き、寝苦しい夜が続くようになる。と最新の成果を説明する。都市の気候学を研究し、気候モデルの開発や天候の観測も同時並行で進め、日本一暑い街として知られる埼玉県熊谷市や岐阜県多治見市が猛暑になる仕組みを調べ、新聞、テレビなどで成果が報道された。また、都心近くに高層マンションを建てて住む都市回帰が進むと、都心から離れた郊外に人が多く住むのに比べてヒートアイランド現象が緩和するという逆説的にみえる研究成果などを詳述。
U.資源・エネルギー
テーマ:エネルギー・電力供給とアベノミクス
講 師:山本 隆三 先生
富士常葉大学 教授, 元住友商事樺n球環境部長
【講演概要】
シェールガスが注目を集めている。地中のシェール(頁岩層)から採取される非在来型
の天然ガスのことであるが、いち早く開発を始めたアメリカでは天然ガスの価格が大幅
に下がっている。これを「シェールガス革命」と呼ぶ声もあり、日本でも「シェールガ
ス革命で世界中の天然ガスの価格が下落。すでにヨーロッパでは(発電のエネルギー源
として)石炭から天然ガスへの切り替えが起こっている」と報じるメディアもあった。
このアメリカ産の新型天然ガスの開発で下がるといわれる火力発電のコスト。だが楽観
は禁物。確固たるエネルギー戦略なしでは、日本の国際競争力は落ちる一方。
日本、世界のエネルギー事情も含め詳述。
V.産業・経済
テーマ:超小型衛星による新しい宇宙開発・利用への試み
講 師:中須賀 真一 先生
東京大学 大学院 教授
【講演概要】
手のひらサイズの超小型の人工衛星が脚光を浴び、安く打ち上げられる手軽さを売りに産業界などの利用が期待される。超小型衛星とは、一般的には重さ50kg.以下の衛星を指す。機能は地球観測や基盤技術の実証など様々で、秋葉原などで買える部品で製作できる。東大では、2003年に世界初の1kg.衛星を打ち上げ、撮影した画像を無料配信し、2005年に2号機を打ち上げ、ともにまだ運用しており、認知度は高まってきた。ただ、超小型衛星は顧客の厳しい要求に応えないといけない。このための高い技術力が必要であり、低コストで早く製造するために国産部品を使って開発期間を短縮し、コストは大型衛星の100分の1、性能は数分の1程度をイメージして開発に取り組む講師が宇宙の産業化について詳述。また、超小型衛星の普及で宇宙が身近になれば国民の関心も高まり「宇宙が日常会話に自然に入ってくるような世界になる」ことを期待し、これが国の宇宙開発を後押しするかもしれないと語る。
開催日時:平成25年4月21日(日) 午前10時〜午後4時50分
テーマ: T.ヒートアイランドによる都市の気候変動 (A.M10:00〜P.M12:00)
U.エネルギー・電力供給とアベノミクス (P.M12:45〜P.M2:45)
V.超小型衛星と宇宙開発への試み (P.M3:00〜P.M4:50)
会 場:(財)東京都中小企業振興公社 3階
東京都千代田区神田佐久間町T−9 電話 03-3257-0741
出欠期限:平成25年4月18日