平成14年 特別講演会内容

−「産業・経済」「資源・エネルギー」「環境」の融合−

 人類は地球規模での「産業・経済の発展」「資源・エネルギーの有効利用」「環境保護」という複雑に絡み合う3つの要因のバランスを保ちつつ、いかに未来を切り拓いていくか、の難問を抱えています。
 本会では、この難問に挑み、本会の前身となる公益法人が自然環境・地球環境保護などの各種の活動を行ってまいりましたが、この活動・理念を引き継ぎ、3つの要因の融合を目的に「地球環境問題へのスーパーコンピュータの応用」「燃料電池」「地球シュミレータ計画」「環境汚染物質排出・移動登録(PRTR)法」etc… のシンポジウムや講演会・研究会を開催し、八木晃一先生(科学技術庁環境性能研究部長)、田中章浩先生(通産省工業技術院機械研究所室長)伊藤利朗先生(三菱電機叶齧ア取締役)、山田博先生(兜x士通研究所常務取締役)、増島勝先生(TDK椛纒\取締役専務)を始め、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NED)、宇宙開発事業団、日本原子力研究所、など産・官・学界から多くの諸先生方に御協力を頂戴してまいりました。
 本年は次の通り開催いたします。

 T.環    境 

テーマ:FPD(フラットパネル・ディスプレイ)技術の最新動向とクリーン化技術
 講師:林 秀介 先生 潟eクノ・システム・リサーチ ディレクター
講演概要
カラー液晶産業の立ち上げ以降、著しい成長を遂げているフラットパネル・ディスプレイ産業ですが、現在は液晶の他にPDP(プラズマ・ディスプレイ)、有機ELディスプレイが実用化段階に達し、さらにFED(フィールドエミッション・ディスプレイ)の開発が進むなど過渡期にあり、各々のディスプレイ方式がターゲットセグメントを持つものの、メーカー毎に戦略が異なり、明確な棲み分けが見えない状況にあります。
本講演では、各ディスプレイの投資動向を整理し、中期的なマーケットポジションを展望し、クリーン化技術に触れていきます。      (裏面に続きます)

 U.資源・エネルギー

テーマ:生活密着型の原子力利用を見直す
 講師:町 末男 先生
 社団法人 日本原子力産業会議 常務理事 
講演概要
文部科学省が行った最近の調査によれば、日本での電力分野と医、工、農など非電力分野での原子力技術の経済効果はほぼ同程度という興味ある結果となっています。
類似の結果は数年前に米国でも報告されています。医療ではガン治療、注射器、人口透析器をはじめとする医療材料の滅菌に、農業は食料の増産に、工業では火力発電所の排ガスに照射して脱硫・脱硝して酸性雨の原因を除去すると同時に副産物として肥料を生産、タイヤの原料ゴムに放射線をあてラジアルタイヤの製造やポリエチレンの耐熱性・耐薬品性の改善など広く実用化され、今後ダイオキシンの除去や新しい高分子材料の開発への利用など発展が期待されています。
本講演では「人にやさしい」「環境にやさしい」放射線利用の実例を紹介します。

 V.

テーマ:個 人 情 報 保 護 法
講師:須藤 修  先生 東京大学 社会情報研究所 教授 内閣府 個人情報保護法制化専門委員会委員
講演概要
我々の生活に影響する個人情報保護法が、米国テロに端を発した安全保障問題の急浮上、国会議員の不祥事の陰で、次期国会に継続審議となり先送りされました。この法案は2000年10月、個人情報保護法制化専門委員会が大綱をまとめ、これをもとに作成されましたが、個人情報がコンピュータで大量に扱えるという情報化の進展、EU(欧州連合体)の個人情報保護の動きで世界の諸国まで事実上拘束的に作用する事項が盛り込まれるなど整備が求められているという背景があります。しかし、この法案に対してマスコミは一斉に「反対」を表明しておりますのは御承知の通りです。
本会が昨年開催したシンポジウム(産業、社会における情報とは何か?近未来の情報のあり方を考える)でこの大綱に携わった講師がこの法律について触れられましたが、本講演ではさらに詳細な法律の内容、背景、諸外国の状況や関係などを解説します。
☆開催日時:平成14年6月1日(土)  A.M10:00〜P.M5:00
T.FPD(フラットパネル・ディスプレイ)技術の最新動向とクリーン化技術
                                  A.M10:00P.M12:00

         U.生活密着型の原子力利用を見直す    P.M12:452:45
        V.個 人 情 報 保 護 法                (P.M3:005:00
 会  場東京八重洲ホール
         東京都中央区日本橋3-4-13    03-3201-3631
 定  員100名(スクーリング希望の場合)  定員になりしだい締め切ります。
               なお、通信で受講される方は6月中旬までに講演収録カセットテープ、資料等を送付します。
 申込期限平成14年5月27日
会員−無料
        一般−48,000円