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新春講演内容
日時:2003年1月19日(日) 受付は午後12時45分 新春講演・質問:午後1時10分〜午後3時10分 賀詞交換:午後3時20分〜午後5時00分 講演テーマ:ドラッカー経営学 ドラッカー(Drucker.Peter.F)は、制度学派(経営をもともとマネジメントとしてとらえる経営学と並んで、いま一つ、経営をあくまでも企業としてとらえ、その制度的構造を明らかにせんとする経営学)の影響を受けた学説を展開し、産業社会における大企業の役割について述べ、日本の企業家および経営者に大きな影響を与えたアメリカの経営学者。現代の経営、創造する経営者、断絶の時代など邦訳本は御存知の通りです。このドラッカーの思想や手法を解説します。 講師紹介: 小林 薫 先生 1954年東京大学法学部卒業。興亜石油、(社)日本能率協会企画部長、産能短大教授を経て現在、産能大学経営情報学部教授。主な著書に「パドラックス系」「超品質」「デイルバートの法則」他多数。 会場: 東京八重洲ホールここをクリックすれば地図がご覧になれます。 東京都中央区日本橋3−4−13 рO3−3201−3631 参加費: 無料 講演内容 2003年1月19日(日)東京八重洲ホールで「新春賀詞交換会」を開催しました。 @新春講演風景 【新春講演】 午後1時、小林薫先生(産能大学教授)の「新春講演」開始。 テーマは「ドラッカー経営学のエッセンス」。小林先生は、現在まで40年にわたりドラッカーの通訳、著書の翻訳、ドラッカーのコンサルティングのサポート、またドラッカー財団のメンバーとして深く親交されておられる。 講演要旨 ドラッカーの本が日本で初めて出たのは1954年。The Pracyice of Management。この翻訳本「現代の経営」。 テキストにある「ドラッカー関連ミニ・クイズ14問」を一緒にやりながらドラッカー経営学の展望をみて行きましょう。問題は4者選択。 @ドラッカーの最初の代表的経営書は?。 Aドラッカーの経営学の特徴は?。 Bドラッカーの名言として著名なものは?。 Cドラッカーによると時間は?。 Dドラッカーは?。 Eドラッカーの著書でないものは?。 Fドラッカーの経営学の根本理念でないものは?。 Gドラッカーに大きな影響を与えたアメリカ人は?。 Hドラッカーに大きな影響を与えた日本人は?。 Iドラッカー(Druker)というドイツ語の意味は?。 Jドラッカーによると効果性は何から生まれる?。 Kドラッカーによると利益とは?。 Lドラッカー事業の定義づけの3大前提条件でないものは?。 M「事業の定義」として正しくないものは?。 1問づつ正解とその内容解説・関連事項・エピソード・近況を含めてドラッカー経営学の大きな流れ、広がりを講演。 次いで、ドラッカーの近況は、E−ラーニング(ウェブエジュケイション)に大変興味を持っており、一昨年からE−ラーニングで「ドラッカー経営学を学ぶ」というのをやっている。絶えず、最先端の学習方法にも取り組んでいることを指摘したい。 近著「ザ・ネクスト・ソサイエティ」で少子化の問題、前からドラッカー自身の懸案のKnowledge Worker(知的労働者)の問題にますます学習を深めて今や知識労働の時代。 ザ・ネクスト・ソサイエティにおいても、その前の本においても重要なのはドラッカーの予見力。これについては余り分析が行われていないが、私の考えは@人口動態学A歴史の教訓Bグローバルな展開。このあたりが一つの秘密の一部ではなかろうか。 ドラッカー経営学の特徴を整理してみると @経営者主体の経営学 A歴史の教訓の重視とグローバル性 B卓越した未来予見力 C現実主義的アプローチ D知識社会への洞察 最近、米国でマネジメント・リソースという600ページ程の本が出て、その中に今では当たり前の事となっているものもあるが、ドラッカーが予見した11の戦略項目を挙げている。《予見した11の戦略項目 略》この各項目について解説。 ドラッカーは「戦略とは定石を超えた知恵」と説き、次の3つの経営戦略の前提がある。 @戦う相手である競争業者の存在 A競争の場において、他の追随を許さないような強味やユニークな面のを有し、それを絶えず磨いて いること B絶えず、状況に対応して弾力的に変化させること。 そして具体的な戦略として次の3つを挙げている。 @総力をあげて、最初に強力に攻撃すること A誰もいないところ、すなわち間隙を突け、手薄なところをたたけ B小なりといえど一定の場を独占し、競争しないでも済むように、競争への免疫力をつけよう。 なお、「ニッチ」は「スキマ」は大きな間違い。 先程、少々説明した新しい本「ザ・ネクスト・ソサイエティ」。日本では「新しい社会」と訳されているが、この本が出る前に私が書いた“ドラッカーの最新著「新しい社会」が示す未来企業”について述べます。 この本は、日本についておもしろいことを書いている。ネクスト・ソサイエティでは「未来が未だ到着していない」ということでいろんなことを言っているが、4つの領域、先ず「未来の企業のあり方」。これからの企業は、民間企業だけでなくNGOやNPOも含めて新しい企業形態の実験やパイロット研究を始めるべきである。 ドラッカーは既にNGOやNPOのマネジメント、表彰をおこなうドラッカー財団ができている。 第2の領域は「中高年労働者を追い出すの愚」、第3領域は「情報革命がもたらす情報不足」、最後の領域は「変革の推進者は」。 最後に、ドラッカーの名言集から幾つか取り上げ解説。 質問:これだけドラッカーさんが新しい時代を認識して、次々と新しいコンセプトを出される、ということはスバラシイと感動していますが、先生は、ドラッカー先生とずっと研究されておられて、ドラッカーさんの日々の生活とか、勉強のやり方や研究のやり方に何かあるんじゃないかと思い、御存知あるいはお気付きの点がありましたら。 質問:「強味の上に己を築け」。全くその通りだと思います。私は、地域振興のコーディネータをやってまして、福岡で実験をおこないました。御存知の通り、福岡は素材型か生活関連型かに産業構造が偏っています。そこでITを産業の中心にして新しい波を起こす、ということなのですが、国がお金を出すに当たって応援したいのは大企業ではなく中堅、中小企業。しかし、企業の強味は率直にいってまだ弱い。強味があるところはいまひとつおもしろくない。集まった社長は強味を創るというが1,2年で創れるかどうか、悩んでいます。強味に対してどう思われますか。 質問:小林先生の日本企業の再生と創造の方向あるいは方策、新しい視点をお聞かせ下さい。 質問:2点ありまして、@ドラッカー先生と双璧をなす、というか、考え方ができるだけ違っていて, それでいてドラッカー先生と並べられるような方がいらっしゃるかどうかA1954年に最初に本を 書かれ40少しの年齢だと思いますが、現在、今45才以下で将来経営学で有望そうな方がいらっしゃいましたら国籍を問いませんので教えてください。 質問:先程、「中高年労働者を追い出すの愚」の項目がありましたが、ドラッカーさんはどうしようと言っているのでしょうか。 質問:最近の傾向として「トヨタかんばん方式」を何でもかんでも、どこでも取り入れようとしている感じがするのですが、ドラッカー理論からすると如何でしょうか 講演終了と同時に活発な質疑応答が交わされ、午後2時54分新春講演を終了。
【賀詞交換会】 引き続き、3時15分から賀詞交換会となり、例年通り、齋藤会長のスピーチ、来賓の日本能率協会コンサルティング最高顧問近藤修司先生の乾杯の音頭で乾杯の後、正副会長を交え賀詞交換、歓談となりました。なお、永井副会長は「センター試験」のためやむなく欠席のためメーセッージを披露。 アルコールもビールからワインに変わった頃には、会場は大変な盛り上がりで、あちこちに「輪」ができ、居酒屋風的なにぎわい。 終了時刻も迫り、司会者が恒例の2度目の乾杯を促すアナウンスにも会話が中断せず、再々度のアナウンスで、島崎副会長の閉会の辞、閉会の乾杯で終了したかに思いましたが、会員のS氏から、「1本締め」の申し出があり、S氏の音頭で1本締めで定刻5時を少し超えて終了しました。この後、2次会に繰り出された方々も数グループあったようです。 C2度目の乾杯、閉会の辞を述べる島崎副会長 この「新春賀詞交換会」は毎年1月の日曜日に開催しています。 前半は「新春講演」で日頃の技術的なテーマではなく、経済、法律、グローバルな問題などを講演して戴き、後半は正副会長を交えた「賀詞交換」となっております。 今年、出席くださいました方、また欠席されました方、是非来年(来年の話をすると鬼が笑う、と昔から言われていますが、昨今一年が速く感じられます−わたしだけでしょうか?)も一人でも多くの方の出席をお待ちしております。 なお、新春講演のテーマや講師の御希望をお寄せください。 |